2021年10月19日、伊仙町教育委員会は「才上(さいじょう)遺跡」の発掘調査結果を発表。今から約1100~500年前の遺跡とみられています。集落や水田の跡、陶器のカムィヤキなど数千点が出土し、昔の徳之島の人々の暮らしの移り変わりがわかる可能性があるそう。そんなロマンあふれる発掘調査結果を解説します。
才上遺跡の発掘調査結果が発表された
2021年10月19日、伊仙町教育委員会が「才上(さいじょう)遺跡」の発掘調査結果の概要を発表しました。
今回は伊仙町歴史民族資料館の情報をもとに、才上遺跡について解説します。
才上遺跡とは?
才上遺跡はどこにあるの?
徳之島 伊仙町の検福集落と面縄(おもなわ)集落の境目あたり。石灰岩台地上の谷筋に形成されていました。
面縄第1貝塚の西側にあるよ
個人所有の農地で、陶器などが出土していたことから遺跡があることは以前から分かっていた。
南海日日新聞
面縄には、他にもグスク時代の「前当り遺跡」「大セノ嶺遺跡」があるんだって!すごい!
どんな調査が行われたの?
伊仙町教育委員会が、2020年7月~2021年9月末にかけて1,600㎡を発掘調査しました。
これは土層の確認作業の様子。
たしかに、土が層になっているね!色が違う~
遺跡では、人が生活していた場所に長い年月をかけて土が溜まっています。古い時代のモノは深いところで見つかり、その上に新しい時代のモノが積み重なっていきます。その場所に人が住み続けていたなら、同じ場所からさまざまな時代のモノが発掘されます。その土層の順序や状態を確認するために、いま彼は土の壁とにらめっこをしているわけです。
伊仙町歴史民俗資料館
これは2020年からはじまった発掘調査が、2021年6月に再開された時の写真。
梅雨時期で発掘現場が水没!今年度の調査は排水からスタートしたんだとか…大変だ!
才上遺跡はいつの時代の遺跡?
貝塚時代末期~琉球王国統治時代(約1100年~500年前)のものとみられています。
日本でいう、平安・鎌倉・室町時代くらい。
600年という長期間についてわかるのは貴重なんだって!
才上遺跡で見つかったものって?
- 集落や水田の跡
- グスク時代の建物9棟
- カムィヤキ(陶器)
- 中国産の陶磁器
- 長崎産滑石製の石鍋
- 鉄器
出土品は数千点!
才上遺跡の調査でなにがわかったの?
- 狩猟採集から農耕生活に移り変わり、人口が増加
- グスク時代初期建物のほとんどが、建て替えられずにその後水田に変えられた
- 人口増加で食料増産が必要になった状況がうかがえる
- 出土品には島外各地の品物も
- 島外との交易が盛んだった
- 貝塚→グスク→琉球王国統治時代の複数の時代にまたがっている
- 人々の生活が移り変わっていった経緯がわかる
当時の人々の生活史を理解するのに、貴重な調査結果だそう
個人所有の農地で、まさかこんな歴史的発見があるとは…これだから徳之島は面白いよね!なにげない場所にも歴史的大発見の可能性がある…宝島だ~!
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