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徳之島の子宝の所以と、最近の子育て事情【変わりゆく徳之島の子育て】

論文を読んでめっちゃ簡単にしちゃう企画。今回は「変わりゆく徳之島の子育て」という論文を超解釈しました。なぜ徳之島は「子宝の島」なのか。それを支えてきたものはなんなのか。最近の変化とは?結構身近な話題だけに、納得感も危機感も覚えました。

目次

どんな論文?

著者は中村ますみさん。鹿児島国際大学 福祉社会学部 児童学科の教授。

タップするとめくれるよ

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ひらめきなちゃれ

平成28年ころに書かれた論文。

子宝の島 徳之島

そもそもなぜ子宝の島って呼ばれてるの?

平成15年~平成19年の合計特殊出生率の全国順位が上位3位を独占したから。

  1. 伊仙町(2.42)
  2. 天城町(2.18)
  3. 徳之島町(2.18)

平成24年、徳之島空港の開港50周年を記念して愛称に「徳之島子宝空港」が採用された。

合計特殊出生率の高さと、行政の支援策の関連って?

医療費の助成なども各町あるけど…最近の支援策よりは、古くからある伝統的な子育てにヒントがありそう。

住民的には、「子宝の島」と言われる要因はなんだと思う?

回答ベスト3はこちら。

  1. 親や兄弟、友人、近所の人など子育てを支援する人がいる(48.5%)
  2. 子どもが多くても何とか育てていけると思う(44.1%)
  3. 子どもは大事なので授かった子どもは大切に育てようといった考えが地域にある(41.6%)
ひらめきなちゃれ

なるほど~。

徳之島の子育てを支えるものって?

「子どぅ宝」(子は宝)っていう考えはどうやって生まれたの?

徳之島は特定の宗教っていうより、先祖崇拝の文化。
尊い先祖が残した教訓=テーキバナシ(島のことわざ)は、子どもに関することが多く、精神文化として根付いてる。

「お祝いが醸成する”ここにいていい”という自尊心」?

徳之島はお祝い事が盛ん。
生誕・入学・成人祝いを、近隣の人々みんなでお祝いする。
「顔の広い人は一晩に40~50軒回る」「料理は100人前」も普通。

自分が産んだ一番大切な存在を周りの人が大切に扱うどころか、神様に近い存在として崇めてくれる。
そんな経験は生後間もない子ども自体の存在価値のみならず、その子を育てる両親の誇りにもつながる。

子どもから長老までが集い、歌い踊り、喜びを分かち合う世代間交流の場である。
子どもたちは、自然に多くの世代の人たちと触れ合って育っている。

子育てと仕事の両立、大変じゃない?

都市部との決定的な違いは「子育ての理解が得られやすい」ところ。これは男女でも、職場でも変わらない。
子どもの病気や行事などで休暇を取得する際に、嫌な顔をされることはないんだとか。会議に子連れもよく見る。

近所でも理解を得やすい。たとえば飲食店は、みんな寛容だし対応に慣れている。
どこに行っても子どもが多いからだ。

あかるいなちゃれ

島全体で子育てを見守ってくれてる感じがするね~あったかい!

子育て環境の変化

理想の子どもの人数の変化

昔:「クラスの半数が4人きょうだい」
最近:「理想の子どもの人数は1人」

農業構造の変化

徳之島は農業が盛ん。土地も多いため、自宅から離れた農地へ出勤するかたちへと変化し、子どもを預けなければならなくなった。

祖父母世代の働き方の変化

「数世代がいっしょに暮らし、孫が出入りするのが日常」ではなくなってきている。祖父母世代が勤めていることも多く、サポートを受けられなくなってきている。

インターネットの普及

「近所を頼るより、まずはネットで検索」になってきた。子どもたちはネットに触れるのが当たり前になってきているが、親世代は子がどのようなものに触れているか全くわかっていないことも…。

ちんもくなちゃれ

「徳之島の良さと危うさは常に背中合わせ」と表現している方も。

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