スキンダイビングとフリーダイビングの講習を受け、いろんなお話を伺っているなかで、掲題の言葉を教えてもらいました。ものすご〜くしっくりくる例えだったので、深堀りしてみます。
※以下 スキューバダイビング…「スキューバ」、スキンダイビング…「スキン」と記載
スキューバ | スキンダイビング | |
---|---|---|
例えるなら | 自動車 | バイク |
潜る時間・距離 | 長め | 短め |
装備 | 重め | 手軽 |
移動中の体感 | 手段 | 気持ちいい |
スキン≒バイクの気持ちよさ
バイクって、自動車に比べると不便だと思うんです。荷物があまり乗らなかったり、天候悪いとしんどかったり。それでもバイクに乗る人たちは、自動車にはない良さをバイクに感じているからなんじゃないかと。
同様に、スキンってスキューバに比べると不便だと思うんです。潜水時間短かかったり。それでもスキンする人たちは、スキューバにない良さを感じているからなんじゃないかと。
スキンなら、手軽にすいすい
バイク
自動車が渋滞や駐車場探しでもたもたしてる横を、バイクがす〜っと走り去っていくこと、よくありますよね。
スキン
スキンの場合も、スキューバダイバーたちが器材の持ち運びやセッティングでもたもたしている横を、スキンダイバーたちは軽器材のみでひょいっと潜れちゃいます。特に飛行機移動がある場合は、器材の重さの差が大きく出ます。
スキンで潜れる場所って案外多い
自動車・スキューバ
重装備だからこそ行ける場所ってありますよね。自動車は悪路にも行けて、スキューバは長く水中にいられます。
バイク・スキン
逆に、軽装備だからこそ行ける場所もあります。バイクでいう狭い道。スキンは小回りが効きます。
さらにちゃんと練習していけば、スキンで行ける水深もどんどん深くなり、水中にいられる時間も長〜くなっていきます。水深はスキューバで行ける深さ(空気なら30m代)をも超えられます。(世界レベルだと100m超え!人間ってすごい!)
スキルアップするほど、「スキューバに出来てスキンに出来ないこと」はかなり減っていくことでしょう。
スキンは寄り道が目的
自動車・スキューバ
自動車やスキューバは、目的地とルートがほぼ決まっています。途中で面白いものを見つけても、長時間寄り道せず、予定時刻に目的地にたどり着くよう調整することがほとんどです。旅行は観光地に行きたい派におすすめです。
バイク・スキン
バイクやスキンは、目的地やルートは大ざっぱにしか決まっておらず、むしろ寄り道を楽しむ傾向にあります。過程や「いま、ここ」を楽しみたいタイプにおすすめです。
スキンは五感で感じ取れるものが増える
自動車・スキューバ
自動車やスキューバは重装備なぶん、天候が多少悪くても快適に過ごせます。
バイク・スキン
バイクやスキンは身体ひとつで走る/潜るぶん、感じ取れるものが増えます。スキンでいうと、季節の移り変わりや海の温度、フィンキックしたときの水を切る推進力など…そしてなにより、超リラックスしたときの「海に、とける」感覚は重たい器材を背負ってたら辿り着けない境地なんじゃないかしら。
感じ取れるものが増えるぶん、防御力が弱まることは頭の片隅に置いておきましょう。
スキンは「自分のちからで」潜る
自動車・スキューバ
自動車やスキューバで必要なスキルは、「車/器材の扱い方」がメインです。何かトラブルがあったときも車/器材を信じて、落ち着いて対処すれば、車/器材が守ってくれます。
しばらく走って/潜っていなくても、ちょっと思い出せば感覚を取り戻しやすいでしょう。
バイク・スキン
バイクやスキンは、自動車やスキューバよりも「自分の身体の扱い方」に重点が置かれます。自分を磨くとより気持ちよく走れる/潜れるようになります。トラブルが起きても「自分が」解決できるようになる必要があります。(※スキンはバディ必須)
スキンはストレッチや食事、精神コントロールなどが大きく影響します。日々の積み重ねが大切ですね。
スキンはバディとのコミュニケーションが取りやすい
自動車・スキューバ
自動車複数台、スキューバ複数人で楽しむ場合、バディとのコミュニケーションがすこし取りにくくなります。会話が普通に出来ない状況が続くので、なにかしら対処が必要です。スキューバの場合はハンドシグナルや、スレートに書いたりします。思ったとおりに伝わらなかったり、タイムラグが起きることもあります。(そのぶんお互いを観察する能力は上がります。)
バイク・スキン
バイクやスキンは、ちょっと立ち止まって会話をすることが簡単です。スキンの場合、水面で会話することができます。感動したものをすぐに伝えたり、行って見たい方向を臨機応変に変えたりすることもしょっちゅうです。
スキンの良さがわかってきた!
私はスキューバダイビングインストラクターでしたが、減圧症になって半ば仕方なくスキン・フリーダイビングに転向しました。しばらくはスキンやフリーの楽しさ、面白さ、気持ちよさがちっともわかりませんでした。
でもこうして講習を受けたり、素敵なスキン・フリーダイビングインストラクターからお話を伺ったりしていくうちに、考え方が変わってきました。講習中に水中の気持ちよさを味わえたのも大きかったです。
スキューバで出来て、スキンで出来ないことってたくさんあると思ってたんです。でもそれってほとんどスキンのスキル不足なだけで、だいたいはスキンで出来る、むしろスキンのほうがいいかも?と思い始められました!
- 荷物、装備が軽くてラク
- 自分をごまかせない
- 気持ちいい!
以下は私の「スキューバの好きなこと」リストですが、スキンのほうがいいじゃん!って思いなおせたことです。
- 水中から水面をぼけ~っと眺める
- 中性浮力でぼーっとする
- 水中洞窟探検
- 大型海獣たちと泳ぐ
マクロな生き物をじっくり撮影すること、テクニカルダイビングの領域はダイビングじゃないと厳しいかな…?とおもっています。いまのところ。
まとめ
自動車の良さ、バイクの良さがそれぞれあるように、スキューバの良さ、スキンの良さもそれぞれです。時と場合によって使い分けるも良し、どちらかを極めるも良し。
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