徳之島には例年1~3月にザトウクジラがやってきます。陸や船からのホエールウォッチング、クジラと一緒に泳ぐホエールスイム、ドローンで激写するクジラ空撮と、楽しみ方もたくさん!今回はザトウクジラのアクションのひとつ、「ブロー」について解説します。事前にしっかり知って、最高に熱い冬を迎えましょう!
ブロー(息継ぎ)とは?
クジラは哺乳類なので、人間と同じく水の中で呼吸ができません。そのため息継ぎ(ブロー)をしに水面に上がってきます。ホエールウォッチングは、大海原でこの潮吹きを探すところからスタート。潮吹きは3~5mくらいの霧の柱に!風や雨が少ないほうが潮が目立ち、探しやすめです。
それだけで3~5mの霧の柱になるって…威力やば!
特に船でめっちゃ近付けてるときの潮吹きは大迫力!音も潮も豪快。これは画面越しじゃ伝わらない。ぜひ体感してみて!
しっぽを上げて、水中に潜る
クジラが水面にいるときは、身体が水面と並行になっています。呼吸が終わって水中に潜るとき、身体が垂直になるので、しっぽが水面にぐっと上がるんです。これをテールアップといいます。
尾ビレ(=しっぽ)のおなか側には模様が。これが人間でいう指紋のようなもので、クジラによって異なるんです。個体識別できるんですね~これで、「去年来た子が今年も来てくれた!」ってわかったりします!
ブローの間隔
クジラの進行方向や息継ぎの回数などを確認できたら、次の呼吸はどの辺りでするか予測し、船を走らせ待機。クジラを驚かせないように静かに距離を近づけていきます。
大人のクジラは、水面でだいたい3~5回呼吸して潜っていくことが多め。このタイミングで写真を撮ったり、スイムやドローンで近付いてみたり…!シャッターチャンスが複数回あるので、クジラが呼吸し始めたら、カメラは構えっぱなしがおすすめです。
書いてるだけでドキドキする…これが、恋?
親子クジラの場合、子どものほうが息継ぎのペースや回数が多いことも。でも子クジラの潮吹きは霧の柱が小さいので、見つける難易度が高めです。親が息継ぎするときは子どもも必ず一緒に上がっているので、まずは親を探しましょう。
ブローの間隔は行動パターンによって異なる
次の呼吸までの間隔はこのくらい。
- 早めに泳いでる➡約3~5分
- まったり進んでる➡約10分~15分
- その場で留まってる➡約20分~
人間も、走ってると呼吸が荒くなるし、寝てると呼吸の回数減るもんね。いっしょだ~
突然ですが。犬って、性格がそれぞれあるじゃないですか。おとなしい子、人懐っこい子、やたら吠える子…哺乳類なクジラも結構性格があって、見ててかわいいんです。それが行動パターンに現れたりします。
- 早めに泳いでいる➡目的地に向かってる/船を避けてる
- お気に入りの場所がある
- 気になるメスを追っかけたい
- 船を警戒している神経質なお母さん
- まったり進んでいる➡子育て中のクジラ
- 泳ぎ方を教えている
- その場に留まっている➡ナンパ中のオスクジラ
- 水中で歌をうたって、メスにアピール
クジラがテールアップするときに、しっぽをぐっと高く上げている➡垂直に沈んでいく➡次の呼吸までの間隔が長いかも?って予測ができるんだよ~
水中に長くいられる理由
マッコウクジラなら水中に1時間以上も潜っていられます。この理由は単純に肺の大きさというわけではないんですね~
① 酸素をため込む能力が高い
クジラの筋肉には「ミオグロビン」という酸素と結びつく物質があります。人間もありますが、クジラは特に多いため、筋肉に大量に酸素を蓄積できるんです。
② ガス交換の効率がいい
人間は1回の呼吸で、肺の中の酸素の10~15%しか取り込めません。しかしクジラは80~90%もの酸素を取り込むことができるんです!呼吸(=ガス交換)を水面で何度かしてから潜れば、しばらく息継ぎをしなくても大丈夫。
カメと泳ぐのもたのしいよ!
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