与論民俗村に行ってきました。徳之島の隣の隣の島なのに、全然違う生活を送ってたことが判明。その土地にあるものを最大限活かし、生活に紐付いた理科や社会を自然と学んでいく。他を知ることで自分より深くを知れる。民俗学っておもしろい!
与論民俗村に行ってきた
教えてくれた人
菊 秀治さん。与論民俗村の村長さんです。
ヨロンの家の特徴
まずは伝統的な家屋をご案内頂きました。
- 正方形
- 背が低い
- 屋根は円錐形
➡台風対策のため、風をなるべく受け流す構造。
- すすきの茅葺き屋根
- 一軒家ではなく、複数棟に分けて建てられる
➡ヨロンは木が貴重。島にあるもの(すすき)を使ったり、分けて建てることでパーツを運びやすくした。
茅葺き屋根っていうのは総称で、資材はその地域それぞれなんだって。沖縄は竹なんだとか。ヨロンは高さ3mを超える、頑丈なすすきを使っていたよ〜
家は奥行きが少なく作られています。隅々まで光が届き、風が通るように、とのこと。台風対策としても◎。
防風林の木陰があるから涼しい!台風対策もできてる。ほんと機能的だね〜!
家の中はこんな感じ
中央右手にぶら下がっているのはゆりかご。村長さんの子どもたちの寝かしつけはこれで行ったんだとか。寝付きの良い子に育つんだって。
畳など手に入りにくいものは手づくり。高度経済成長で「作る喜び」が失われてしまった、と村長さんは教えてくれたよ。
勉強=生活の智慧
移動中、「10円玉持ってない?」と聞く村長さん。
渡して30秒。10円玉の片面がぴっかぴかに磨かれて返ってきました。
カタバミで10円玉をこするときれいになることを教えてくれました。
村長さんいわく、「昔の【勉強】は生活の智慧として学んでたんだよ。理科と社会は地元が教えてくれるものだ」とのこと。
実際、村長さんのお子さんたちは博学!民俗学を専攻後、奄美群島の助けになっていたり、海外の大学に行ったり…。「離島だから教育を受けさせられない」なんてことは全く無くて、むしろ離島だからこそ物事に興味関心を持てて、自ら学んでいくことが出来る子に育つように思いました。
壷を焼けない
壷がずらり。
焼き物は、良質な土が手に入るだけでは作れません。薪が必要です。木の少ないヨロンでは壺はほぼ生産されておらず、ほとんど沖縄から輸入されていました。(一部九州、海外)
壺の中には保存したい食べ物(つくった穀物、味噌、酢など)を入れていました。
木が必要なものは、輸入してたんだね
民俗学とは
いわゆる「歴史」にはお偉いさんたちが登場し、大きな時代の流れを捉えていくのに対して、民俗学は庶民の生活を研究する学問。
これは筆者の捉え方なのですが…民俗学は「違いを理解する」ことなのかなと。
- ヨロンを知ることで、「じゃあ徳之島はどうなんだろ?」
- 違いを知り、「徳之島に活かせることはあるかな?」
という発想になり、他の地域の生活を知りたくなる。実際、村長さんは日本各地の民俗学を知っていて、雪国の家屋との違いなども解説してくれました。
違いを理解して活かすものの、押し付けない。違うから良いし、違うからたのしい!そういう大切なことを教えてくれてる気がします。現代社会に必要な考え方だと思うの。
アクセス、電話
住所 | 鹿児島県大島郡与論町東区693番地 |
電話番号 | 0997-97-2934 |
ホームページ | https://yoronminzokumura.com/ |
Google評価 | ★★★★☆(4.4) |
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