「Amamiaynu(アマミアイヌ)」というアーティスト、ご存じですか?奄美大島・加計呂麻の唄者さんと、アイヌの唄者さんたちのユニット。これがまた魂を揺さぶるんです。不思議と感じる懐かしさ、身近な唄でありながら神への祈りでもある。この2つの唄が共鳴し合う奇跡。古き良き、それでいて幻の日本の姿は、今日も世界中の人々の心に響き渡っています。
奄美とアイヌの、交点
2021年11月6日、NHK ETVで「奄美・アイヌ 北と南の唄が出会うとき」という番組が放送されました。出演していたのが、 「Amamiaynu(アマミアイヌ)」。その名のとおり、奄美とアイヌの唄者さんのユニットなんです。
奇跡のコラボレーション、まずは聴いてみてください。
楽器は「トンコリ」という、カラフトアイヌの伝統的な弦楽器。楽器を創り終えたら、魂(=作者の大切なもの)を入れるのが習わし。
きちんと音が出ないところが、トンコリを神秘的で謎めいた存在にしているんだとか。
ちなみに弦はエゾシカのアキレス腱を紡いでたんだって!
先ほどの音源、最初に唄い出していたのが奄美の唄者さん。節が長めなのが奄美民謡の特徴ですね。
途中からリズミカルに加わるのが、アイヌの唄者さん3名。
聴き分けられる?
2つの民族音楽は、すごい相性が良いってことだね。
ふたつの唄の共鳴点
生活の唄であり、神への祈り
奄美もアイヌも、文字を持ちません。代わりに唄で会話をし、それが唄遊びになりました。
暮らしに溶け込む唄がありました。
日本に侵略されて苦しい時代がありました。
神への祈りがありました。
ふたつの民族の歴史は、唄なしでは語れません。
楽譜にできない
ドレミで表せない、楽譜にできない音たち。感情で上下するから、交じり合う。どこか同じような匂い、感触、懐かしさ…これが「幻の日本」のルーツなのかもしれません。
世界の心を揺さぶる、奄美・アイヌ
ご紹介したアマミアイヌというユニット。奄美の唄者さんである朝崎郁恵さんは1935年生まれ、67歳でメジャーデビュー。NY・カーネギーホール、LA、キューバなどの海外公演などを成功させています。
アイヌの楽器であるトンコリ奏者のOKI(オキ)さんも世界各地でツアーを成功させています。滅亡していたトンコリを博物館の資料・音源から復元したのも彼。
それぞれ、毎日のように全国・全世界で、ライブ活動もコラボも勢力的に行っていらっしゃいます。
なんて素敵な生き様。
古来から伝わる大切な唄(でも暮らしを唄った身近な唄)が、世界中の人々の魂を揺さぶることができることを証明しています。
そして古典を大切にしながらも、新たな挑戦をし続けている姿。かっこよすぎ。
直近では2021年11月18日、東京丸の内にある、かの有名な「コットンクラブ」でライブするんだって~!
はーたまんねー!行きたすぎる!
何が言いたいかっていうと、奄美・アイヌ、そして徳之島には、世界に誇れる宝物がいっぱいあるよ、ってこと。新たになにかを付け足そうとしなくても、既にある素晴らしさに気付くことって大切。
だって、「暮らしの唄」「不完全な楽器」が世界に評価されてんだぜ?
なくしちゃいけないよな。こういうの。
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