徳之島に移住してもうすぐ5年目に突入。今年は個人事業主になって、ブログで発信して、島の皆様の役に立ち始めてて…少しずつ歩めてるかな、って思ってたんです。いやー…調子乗ってたかも。このままだとダメだ。
「島のために」が押しつけになっていないか。情報発信で気が付かないうちに人を傷つけていないか。ちょっと立ち止まって考えてみました。これから島にやってくる第三者に対してどう立ち振る舞うかも、島全体で考えたほうがいいフェーズなのかも。
考えたきっかけ
筆者は現在、鹿児島大学の「奄美の「環境文化」を付加価値化する先駆的な人材育成プログラム」を受講中です。
プログラムの詳細
プログラムのなかでおすすめされていた本が届いたので、早速一読しました。
いや~…自戒の書だわ…
本の内容
調査というものは地元のためにはならないで、かえって中央の力を少しずつ強めていく作用をしている場合が多く、しかも地元民の人のよさを利用して略奪するものが意外なほど多い。
調査されるという迷惑
- 外来型開発(トップダウン)は住民の関与が少ない
- 他所から持ってきた智慧や文化で地域が生き延びられるわけがない
- 地元の人間が独力で生きていけるように育てる気がない
- 調査をしてやる、という上から目線
- 信仰・敬う心がなく、住民が疲弊する
- 「人として」の自覚がない
- 調査結果が地元に還元されない(知識もお金も)
- 資料(書籍や遺物)などを「調査」という名目で借りたまま返さない(略奪調査)
- 地方大学の先生に多い
- 地元の資料が勝手に論文などに転載されている
- 学術調査→注目→保護→盗難盗掘
- 調査・保護が逆効果になっている
- 中途半端にしか知らないのに、もう全部知っているかのように話す
- 地域のためを思って誠意をもってほめて書くなら、何でも許されるはずだという思い込み
- 知らないところで公表されます
- 拒否しても活字化されます
- ほめて書かれても、その結果が良いことばかりとは限りません
- 抗議しても誠意ある対応が望めません
- それはあるときはあなた自身かもしれません
引用:調査されるという迷惑
筆者の自戒と、徳之島の現状
地域のためを思って誠意をもってほめて書くなら、何でも許されるはずだという思い込み
これを読んだときにかなりドキッとしました。このブログがまさにそうなっていたからです。正直、お店の写真を勝手に撮り、許可なく載せてしまっていることも少なくありません。今のところお叱りは受けていないものの…ヒヤリ。
他にも、掲載させて頂いた知識はどこかから学ばせてもらったり、引用させてもらっていることも多い。なのに、「私が」「全部」知っているかのように記載している節もあったように思います。
島のみなさんにも「島人より島のこと知っている」って言われたりするんですけど、全然そんなことない。全然です。ほんと。
正直、ブログ続けるか迷う。
知ってほしいけど、知ってほしくない…
自信を持って発信できることも全然ない。
無知の知に気付くと、動けなくなる。。
世界自然遺産登録→盗難・盗掘・事故
以前書いた以下の記事、まさにですね…
世界自然遺産に登録される(かも)ってなって、貴重な生物がたくさんいることが知れ渡り、昆虫類を捕まえる罠が増え、アマミノクロウサギの事故が増え。結果、保護と真逆の結果に至ってしまう。
他にも、「陸の中の海」ウンブキが日本最大級の水中鍾乳洞であること、洞窟内にしかいない固有種「ウンブキアナゴ」が知れ渡ったら、やっぱり盗難の跡があったそうです。
民度の低さに悲しくなる反面、「知らせる・知られる」ということは本当に良いことなのか、検討する必要があると感じました…
こうした事例をブログで発信することで、「盗む」という発想がなかった人にも、悪い考えが浮かぶようになってしまうのかもしれない。
発信する責任の重さがなー…うぬぬ
こういうところまで考えると、なんにも発信出来なくなっちゃうよなぁ。
遺物が調査という名目で奪われる
先ほど話に上がったウンブキでは、調査で7000年前のものとみられる土器が発見されました。天城町の学芸員の皆様を中心に年代測定などが進められています。
もしも土器が…島に還って来なかったら…
今回のケースは天城町の学芸員の方々が関わっていらっしゃるので、大丈夫だとは思いますが…「調査のため」といって回収され、そのまま何十年も島に還って来ない遺物もたくさんあるのではないでしょうか。おそらく人の良い島民が「信頼できる人に一時的に貸す」ため、借用書などもつくらず、期限も特にないパターンも多いでしょう。
カタチのないもの(島口・歌・踊り・祭りなど)も、島民が実演させられ、映像や書籍などのカタチに遺せても、地元にはその映像や書籍が送られてくることはなかったり、智慧の還元もない。(=智慧の搾取)
筆者も、撮らせてもらって「データ送るよ!」って言っておいてなあなあにしちゃってること、あるなぁ…アカン。
地元のためのお祭りとユーチューバー
情報発信をしている人って、スクープや特ダネに飢えている節があると思うんです。
筆者も「バズるかな」って狙った記事、いくつかあります。⇩これとか。
そういうのが行き過ぎると宜しくない。地元民だけが参加できるはずのお祭りにユーチューバー(自称)が入り込んできて、神聖な空気感ぶち壊したり。その情報を発信するもんだから、見た人が続いてしまったり…
闘牛の試合もそうですよね。撮影禁止の場合が多いんですが、インスタでライブ配信してる若者をよく見かけます。見たい人も配信したい人もいるのはわかる。でも主催者が禁止しているのに。
これも「地域のためを思って誠意をもってほめて書くなら、何でも許されるはずだという思い込み」の一種でしょう
みんなでやれば、こわくない、とかね…
調査は人を傷つけかねない
少子化について調査している、って人がいて。その人と、島の歴史を知っている人を引き合わせようとしたことがありました。
先に島史のさわりの部分を教えてもらったのですが…子宝なシマ(集落)になった背景を論文にされるのは集落や島の恥になりかねないから、語りたくないと。
…なるほど。
筆者は、どんな内容であれ、貴重な情報が失われる前に記録に遺したほうが良い、って発想になってしまうんですが…違うんですね。この調査でインタビューに答えてくれた人や集落名が表に出たら、その家族はどうなるんでしょう。(プライバシーを伏せたとて、意味はないと思ったほうがいい)
正論は人を傷つけるって、こういうところだよな。
…っていうのと、歴史という名の情報発信は、権力者などの都合の良い歴史に書き換わっていることが往々にしてあるんだろうなと思いました。現代のマスメディアですら、報道のキリトリ方が残酷なことっていくらでもあるもんね。
要らない他所の智慧を持ち込む
これもヒヤリ。
現在の筆者は島に対して「個人事業主増やそう」「WEBや動画制作できる人増やそう」「収入増やそう」「いつでも働けるほうがいいよ」みたいな思想を持っていて。もちろん良かれと思っていますが…そうじゃない島のよさに惹かれて移住しているはずなのに。それでいいのか?
ニーズは少なからずあるだろうし、発信した情報を受け取るかは相手次第だとは思うんですけどね。変化しないと衰退していくだけだとも思う。
でも、押しつけはダメだ。上から目線も違う。
気持ち悪い移住者になるところでした…
最近は、世界自然遺産登録に踊らされているように筆者は感じています。
以下の記事で述べたように、筆者としては世界自然遺産登録されたことによる経済効果ってあんまり見込めないと思っています。
それでも「世界自然遺産センター」が各町につくられる、って噂を耳にしたり…。それ要る?しかも各町。せめて仲良く1つにまとめようぜ。そんなお金があるなら自然の保護のために使おうよ。。
他所から入ってくる智慧が、「徳之島にとって」いいものとは限らない。ほんとに。
なんのために、誰のためにそれやるの?って。予算があるからやる、とかは答えにしちゃいけないと思う。
貴方や島はどうなりたいの?私はなにができる?
この本を読んだり、プログラムを受講してつくづく思うのは、「確認すること・対話することの大切さ」。
- いままで&現在、何が起きているのか
- 数字など、データからわかること
- 感情、良し悪しの判断、相手と自分の捉え方の違いなど、対話からわかること
- これからどうしたいのか
- それに対して私(たち)は何ができる?
全員の想いを聴いてはいられないし、実現することもできないと思う。それでも対話して、対話して、対話して。腹割って話さないと。
立場を超えて、いま、みんなで対話をしておかないと。
調査されたときや、大きな資本が入ってきたときにやられちゃうと思うんだ。ボトムアップできるだけのパワーを備えておかなくちゃ。
そして…人見知りを…卒業せねば………ッ!汗
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コメント
コメント一覧 (2件)
凄く気づき、身になる記事でした。
自戒は胸に、記事更新頑張ってください。
たつかわ さま
コメントありがとうございます。恐縮です。
自戒しつつ、トライ&エラーしつつ…ちょっとずつ頑張ってみます!