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【第2回】奄美・琉球~世界自然遺産登録へのステップ~【ざっくり知っとこ】

2021/7/26、奄美・琉球が世界自然遺産に登録されました!2003年に動き始めてから17年以上。長年の積み重ねがついに実を結びました。
ここに至るまでにどんなことがあったか、ざっくり知っておきませんか?経緯を知ることで、これから期待できること、気にするべきことが、見えてくるかもしれません。

奄美・琉球といえば、さとうきび

目次

世界自然遺産登録までのステップは、車の免許取得と似ている

世界自然遺産に登録されるまでには、ざっくり3つのステップを踏む必要があります。

  1. 書類提出
  2. 暫定リストに掲載
  3. 世界自然遺産に登録

これは例えるなら、車の免許取得のようなもの。【願書を出して、仮免許を取得し、免許を取得】というステップが必要です。

ひらめきなちゃれ

免許を取得してからが本番!っていうところまでそっくり!

今回は以下の通り、細かめに分けてみましたが…書いてあることはざっくりです。流れとツボを押さえておきましょう。

世界自然遺産登録までのステップ

STEP
免許取得できるよ!とチヤホヤ【2003年】

環境庁・林野庁【世界自然遺産候補地に関する検討会】

奄美と琉球には以下の2つがあるので、世界自然遺産登録候補地になれるのでは…?

  •  独特の地史➡固有性の高い生態系
  •  絶滅危惧種の生息地
てれてれなちゃれ

な、なれますかね…!(まんざらでもない)

評価基準は生態系と生物多様性でいきましょう!

生態系?生物多様性?

ひらめきなちゃれ

このとき知床と小笠原も候補地に挙がっていたんだね!

STEP
願書を出す【2013年】

政府がユネスコ世界遺産センターへ暫定リスト記載のための必要書類を提出

ふしぎななちゃれ

チヤホヤされてから10年経ってる!
2005年に知床、2011年に小笠原が無事に世界自然遺産登録されてるのに…結構間が空いたんですね~

「順番的にそろそろ奄美・琉球でしょ!」って長年期待されていたんです。

願書を提出してすぐに、仮免許である「暫定リストへの掲載」OKが出ました。
ただ、願書に記載のあった地域が不明確だったり、地権者との合意が得られていない地域が含まれていたんですね…

ぐるぐるなちゃれ

それでいったん、仮免許が保留になって、追試が設けられたんですね…(記載保留と追加情報照会の通達)

STEP
仮免許の取得のためにがんばる
仮免許のためにがんばったことリスト
  • 科学委員会の発足
  • 候補地エリアの選定
  • 正確な案件名に変更 など
やりました
ぐるぐるなちゃれ

さらっと書いてあるけど…Step②にあった「地権者との合意が得られていない」っていう項目、調整めっちゃ大変そう…

STEP
仮免許を取得!【2016年】

再申請➡暫定リストに掲載

願書を出してから3年後
再申請し、仮免許を取得に至りました!

てれてれなちゃれ

大きな前進ッ…!

STEP
免許取得のためにがんばる

仮免許の次のStepとして、国立公園の地域拡大&指定を進めました。

スクロールできます
2016年3月西表石垣国立公園の指定区域を西表島全域に拡大
2016年9月沖縄本島北部をやんばる国立公園として指定
➡特別保護地区と第1種特別地区を「奄美・琉球」の推薦区域とした
2017年3月奄美群島国立公園が成立
➡奄美大島・徳之島・喜界島・沖永良部島・与論島が含まれる
びっくりなちゃれ

やんばる国立公園を指定した時点で、「2018年に世界自然遺産登録を目指す」としていたんですね…!

それと、正式名称が「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」に決まりました!地域が特定出来てわかりやすいですね~。

STEP
本試験を受ける【2017年】

世界遺産委員会の諮問機関による現地調査の実施

世界遺産委員会の諮問機関(調査して意見をする組織)であるIUCNから派遣された人たちが現地調査をしました。

試験結果は4段階

  • 登録勧告…ほぼ合格間違いなし!
  • 情報照会…説明補足してほしい(追試準備に約1年必要)
  • 登録延期…抜本的にやりなおし(追試準備に約2年必要)
  • 不登録勧告…不合格

現地調査の結果、「登録延期」を勧告され、いったん推薦を取り下げ2020年の審議を目指すことになりました…

再検討項目

  1. 候補地が細かく分断されている
    • 生態系が分断される
  2. 外来種や野良猫の駆除が出来ていない
  3. 観光資源と観光公害への対応しきれていない
    • 観光客が増えるとロードキルも増える?
    • 盗掘・密猟への対策
STEP
本試験 追試のためにがんばる
追試のためにがんばったこと
  • 24か所に分断されていた区域を5か所にまとめた
  • ガイド研修、利用規制をつくる
  • 外来種の駆除
  • 登録基準の「生態系」を削除し「生物多様性」に絞った
やりました

生物多様性って?

STEP
本試験 追試を受ける【2019年】

世界遺産委員会の諮問機関による現地調査の再実施

前回NG項目だったところなどを重点的に視察されたり、観光関係者の住民との意見交換会も行われました。

かなしみなちゃれ

この調査結果である諮問機関の勧告
本来なら審査が行われる世界遺産委員会開催の6週間前に発表されるんですが…それが2020年5月。コロナ全盛期!結局勧告が未定となり、2020年の世界遺産委員会も延期になってしまったんですね…

⇧はいここテストに出ますよ~

2021年5月、延期されていた諮問機関の勧告があり、無事に登録勧告が出たんです!

はなまるなちゃれ

やったー!ほぼ確定のやつですよね~!ついにこの時が…!
知床は2年でここまで来てるのに、奄美・琉球は18年かかってますよ!それだけに感慨深いですね…!

STEP
免許を取得!
【2021年7月26日】

2021年7月現在、日本国内で世界自然遺産の仮免許を取得しようとしている場所が他にありません。
そのため、「奄美・琉球」が国内最後の世界自然遺産になる、とみられています…!

STEP
本番はこれから…!

もう一度、免許の本試験が追試になってしまった理由を見てみましょう。

再検討項目

  1. 候補地が細かく分断されている
    • 生態系が分断される
  2. 外来種や野良猫の駆除が出来ていない
  3. 観光資源と観光公害への対応しきれていない
    • 観光客が増えるとロードキルも増える?
    • 盗掘・密猟への対策

特に3は、これからが本番

「世界遺産」は「素晴らしい観光スポット」と勘違いされがちだけど、本来の目的は「世界のみんなで守らなくてはいけないもの」のことなんです。

ひらめきなちゃれ

本末転倒にならないようにしなくちゃですね!

引用・参考

次回は琉球列島の成り立ちについてご紹介!

世界遺産シリーズ

徳之島は海も魅力的~!

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