【後編】徳之島の山海留学ってどんな感じ？家族で留学中のお母さんに聞いてみた

11月にお試し移住体験をし、翌週くらいには山海留学することを決めていました！
天城町役場のふるさと創生室に連絡をとり、契約書を交わしました。契約内容は「実施要項」の内容に基づいています。

家族留学だと住民票を家族全員で移す必要がありましたが、旦那は関東に残っているので免除してもらいました。

移住体験の際に空き家を3軒見学したのですが、最終的に見学していない家に決まりました。

本当は、島を見学したときに見させてもらった海沿いの空き家に住みたかったんですが、小学校から遠くて…

山海留学の家族が校区内で住居を確保できない場合、隣接の校区からの通学ができるんです。とはいえ実際はバスなどもあまり走ってないし、小学校低学年だし、ってことで厳しくて。
それで、気に入っていた空き家は諦めたんです。

後から、徳之島の海沿いの家は塩害がすごいとか、台風対策をしっかりしなくちゃいけないっていう情報を聞いて、いまの物件にしてよかったかも！と思っています。

新たに紹介してもらった学校近くの空き家は、外観は古き良き古民家、中は綺麗にリノベーションしてあり、快適に住めています。
6畳の和室×2部屋＋4畳半の洋室がある一軒家です！

私たちが山海留学を決めた時期と、天城町役場が山海留学にチカラを入れようとしていたタイミングがちょうど合致していて！
11月に「与名間分校に山海留学する」と伝えたら、12月にはリノベーションを開始してくれました！

リノベーションには約200万円ほどかかっているそうなんですが、半額を天城町、もう半額を集落が負担してくれています…！私たち家族の負担がないので、本当に助かっています！

結局その空き家は見学せずに入居することになったのですが、リノベーションが終わったころに、内覧動画を送ってきてくれたので安心して引っ越せました！

山海留学している現在も、関東の会社でHR（人事）として働いています。
コロナより前からリモートワーク中心の働き方をしていたのと、会社の社長が不登校の子どもを連れて出勤するのをOKしてくれていた、理解のある方だったのが幸いでした。
山海留学を勧めてくれたのも社長で、一緒に子どものことを考えてくれました！

旦那はリモートワークできる職種ではないので、今も関東で働いています。授業参観などのタイミングで徳之島に来たり、夏休みに私たちが関東に帰ったりしています。

学校と役場で以下の手続きを行いました。

2021年4月から山海留学がはじまりました！このインタビュー時は留学から4か月目。ちょっとずついろんな変化が起き始めています。

毎日楽しそうにしています！
もともと不登校だったので、島や学校の環境に慣れるかなどの不安がありました。さらに都会と違ってスクールカウンセラー的な立場の人も徳之島にはいないと聞いていたので、「もしまた子どもが学校に通えなくなったらどうしよう…」という気持ちはありました。

ですが、全校生徒の人数が少ないので、先生たちも生徒ひとりひとりとしっかり向き合ってくれています。遅れていた勉強も、子どものペースに合わせてくれて助かっています！
前の学校では授業中に遊んだり寝ている子もいましたが、徳之島では先生の目が行き届きすぎるくらいなので、勉強に集中できているのは嬉しい誤算でした。

そうなんです！
びっくりしたのが、複数学年の授業を1人の先生が行っていること。
教室は、「前の黒板は3年生用、後ろの黒板は4年生用」という背中合わせのつくり。
先生が10分ごとに3年生、4年生…と交互に行き来して教えてるんです！先生がいない間は、事前に撮影しておいた授業の動画を見たり、問題を解いたり…しかも先生はひとりひとりのペースに合わせて教えていて！凄かったです…！

もうひとつ驚いたのが、ハブ獲りの実習。
「お母さんも絶対参加してくださいね！」って言われて伺ったら…なんと本物のハブが！怖かったです…
でも確かに下手な授業より、徳之島島民にとっては「生きていく上で必ず必要な知識」ですもんね。学校で教えてくれて助かります。

学校は16時に終わります。が、放課後の30～45分間くらい、先生たちが生徒の自習を見てくれています。宿題も結構あるので、この時間が重宝しています！

与名間分校のあるエリアは、子どもが外で遊べるのは17時までなので、ほぼまっすぐ家に帰ってきます。

そろばん、空手、学習塾などがあるみたいです。が、子どもがまだまだ勉強の忙しさに慣れていないので、今は習い事はさせていません。

家族でドライブに行くことが多いです。まだまだ知らない場所も多く、探検気分です！

学校近くのヨナマビーチにもよく行ってます！海遊びの道具がたくさん借りられるし、ライフセーバーもいるから子どもと一緒に安心して遊べます。

私はもともとアウトドア派なので、働いたあとに海に入るなどのワーケーション的な働き方が出来ています。私としても山海留学してよかったなと思えています！

ただ…天城町はワーケーションを推進していますが、ネット通信速度が遅いところもしばしば。オンライン会議で通信が止まってしまうこともあるので、改善に期待したいです～。

良かった面は、子どもと一緒に過ごせる時間が豊かになった点です。その理由は2つ。

1つめは、子どもと離れる時間が出来たこと。
都会にいたころは子どもが不登校だったので、ほとんどの時間を一緒に過ごしていました。子どもにイライラすることも正直ありました。
今は子どもが家に帰って来たら「今日学校であったこと」をちゃんと聞けています。時間にメリハリができたおかげで、子どもと向き合う心の余裕ができました。

2つめは、自由に使える時間が増えたこと。
都会にいたときは通勤に往復1時間かかっていたのが、今はかかりません。そのぶん家事ができるし、仕事もはかどります！
いい意味で島には娯楽がないので、時間を無駄にすることも減りました。

悪い面は、良い面の裏返しでもあるんですが…
雨の日の、子どもの遊ばせ方に悩んでいます。

都会なら雨の日でも外にお出かけして、子どもと買い物や外食などを楽しむことが出来ます。けど島だとなかなかそれが出来ません。
それで雨の日は家でボードゲームなどをするのですが…下の子がまだ4歳なので、ゲームが成立せず終わってしまうんですよね…

実は、与名間の校区では、基本的に友達の家に遊びに行くのは禁止なんです…！

子どもたちのたまり場になる家が出来てしまったり、友達の家で何か壊したときに責任取れなかったり、携帯ゲームなどのおもちゃはみんなで遊べないからだそうです。
なので、子どもたちが集まって遊ぶとしたら、学校に行くか外遊びになるんです。

そうなるとやっぱり、雨の日はどうすればいいんだろう…ってなるんですよね～。課題です。

私の収入の大半を貯蓄に回せています！

旦那は関東、私と子どもたちは徳之島。家族が二拠点になるので、山海留学前は支出が増えることを覚悟していました。

本来であれば家計の数割を占める家賃。ですが、現在徳之島の家賃は支払ってないんです！

さらに天城町から「留学児童生徒1人につき、月額30,000円が支給される」のです！
今うちの子どもたちは小学4年生と4歳児なので3万円ですが、下の子が小学生になったら、支給額が毎月6万円になるんです！

都会にいたころは、息を吸うのにもお金がかかる感じがしてました。ちょっと移動するだけで、自転車停めるにも、電車乗るにも、時間潰すためにランチするにも…
でも島に来てからそういった支出が全然なく、かかっているのは光熱費と食費くらいです。近所のみなさんがくださる野菜もありがたく頂戴しています。
家族で二拠点生活は、金銭面でも問題なく出来ています！

期間はとくに決めてないません。
中学生くらいまではどこでも変わらないかな？と思っています。中学卒業する頃に、子どもがどうしたいか次第で決めようと思っています。

山海留学の実施要綱には、基本的には年単位とありましたが…「基本的に」なので、やむを得ない場合は仕方ないのでは…？

島でしか出来ないことをたくさんしたいです！
子どもが将来振り返ったときに、島暮らしが糧になればいいなと思っています。

私自身は、仕事がリモートワークなので、島のみなさんとまだ縁が少なく…いろんな方と仲良くなれたらな！と思っています。

それと、せっかく徳之島に来ているので、パソコンばっかりいじってないでワーケーション的な楽しみ方をしていきたいですね～！海に潜ったりとか、徳之島でしかできないことを満喫したいです！

あと最近、徳之島の子どもたちにできることがあれば、と考えるようになりました。HR（人事）の仕事をする前はプログラマーだったので、プログラミングを子どもに教えたりとか…働く場所にとらわれない生き方を伝えられたらうれしいです！